解せぬ24・・・・・・・・・・・公開質問状

信濃毎日新聞社 殿  2003年12月5日

 

財)日本釣振興会 外来魚問題対策強化委員

FB‘sソサエティ長野

(社)全日本釣り団体協議会公認 釣りインスタラクター

N PO法人全日本釣場環境保全連盟公認 エコリーダー

(有)らんかぁ倶楽部代表取締役  真嶋 茂

  

拝啓

 

寒冷の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

 

さて、去る11月24日の信濃毎日新聞においての記事内容について、

ご質問したいことがありますので誠意あるご回答を12月末日までに頂きたく、

よろしくお願い致します。

尚、本件を貴社宛に送付しましたことは、

本質問状の写しと合わせてマスコミ各社へも通知しネット上でも

発表いたしますので念の為申し添えます。

@今回の記事も含め、貴社の紙面では「外来魚問題」を取り上げられる事が他誌に比べ多い様に感じられる。

 ついては、その外来魚を釣ることを趣味としている釣り人を対象にした取材は過去何回、

 どのような状況のもと行なわれたかを明確にしていただきたい。

A貴社の紙面では「外来魚」なる表現を度々用いているが、貴社の考える「外来魚」

 の定義を明確にしていただきたい。

B貴社は本来その水域に生息していなかった種を人為的に放流する事は当該記事上{ブルーギル}

 について否定的な見解を示しているように思われるが、当該記事で害を受けたとされる

 ワカサギも本来中綱湖はもとより国内淡水域には生息しない種である。このワカサギという

 種の生息について貴社の姿勢を明確にしていただきたい。

 ワカサギ減少の原因として漁協は

 「直接の原因を突き止めたわけではないが、待ち伏せしていた外来魚が食べてしまったとしか

 考えられない」とし県水産試験場は

 「中綱湖はここ二、三年でブルーギルが急増している。証明は難しいだろうが、

 外来魚がワカサギを食べてしまった可能性が高いのではないか」 と述べている。

 

 どちらもワカサギがいなくなったと言う事実だけでその原因として、憶測のみで外来魚の

 影響ではないかとしてしまっている、なおかつ水試で増えていると言っているのは

 ブルーギルでそこから外来魚一般と思われているブラックバスが唐突に現れ

 「ブルーギルやブラックバスに食べ尽くされたのではないか」と表現されている。

 その上写真の説明として「ワカサギがほぼ全滅したとみられている中綱湖。

 釣り人はブラックバスを釣っていた」とし読者にブラックバスが関与しているかの

 偏向認識を植え付けてしまっている。

 全国的にもワカサギ資源減少原因として安易に外来魚とされた事があったが、

 その後の調査で他の要因の可能性を指摘されたのは山梨県河口湖、群馬県榛名湖、

 長野県野尻湖、など数多く存在し、逆に外来魚の食害が証明された事例は

 ほとんど存在していない。

 木崎湖では一昨年までワカサギ釣りが低調だったがこれはキザキマスによるものと

 指摘されている。

 また白樺湖でも昨年、ワカサギ資源が激減したがバイオマニピュレーションの実験で

 放流されたニジマスが原因でないかと言われている。

 今回の中綱湖でのワカサギ全滅は河口湖や榛名湖の事例、

 稚魚期に必要なプランクトンの不足、あるいは最近中綱湖で増加していると言われる

 キザキマス、ヒメマスの影響の可能性が考えられる。

Cこういった事例、事実があるにもかかわらず推測のみで記事を書くことにより読者に

 間違った認識を植え付ける危険性を認識すべきでこの事についてどうお考えかお

 聞かせいただきたい。

Dブルーギルの拡散を釣り人による放流が原因と書かれているが、

 その情報を得た取材先と根拠を明確に示していただきたい。

 ブルーギルは1960年、当事の皇太子殿下がシカゴ市長より贈呈されその後

 水産庁淡水区水産研究所に委託し繁殖させ滋賀県水産試験場と大阪府水産試験場に

 配布されました、その後も静岡県一碧湖、徳島県松尾川湖、高知県長沢湖、大橋湖、

 宮崎県の一ッ瀬湖等に放流され、滋賀県は淡水真珠の養殖実験を琵琶湖で、

 大阪府は全国の養殖業者(長野県にも昭和43年に稚魚400尾、成魚7kg)

 に配布しその後の拡散はアユ種苗、ヘラ、コイ種苗に混入したのが主原因と考えられます。

 

 なぜならブルーギルは釣魚としての人気は全く無く主な対象魚とする釣り人は皆無である。

Eしたがって釣り人が拡散させたとのこの記述は証拠も無しに違法な事が行

 なわれそれが特定の人たちによるものとされていることになり非常に問題であり重ねて

 貴社のお考えをお聞かせいただきたい。

外来魚問題がこの様にこじれ解決しない要因の一つに、

今回のような思いこみと事実誤認による偏向報道があるのではないでしょうか、

偏向報道が偏向認識を生みそれがまた偏向報道を生んで行く、

この無限ループを何処かで絶ちきらなくては問題解決は実現いたしません。

一般市民にある方向性の認識を持たせようとしたり、

自身の責任を他者に押し付けようとする勢力に利用されないよう、

視野を広げての取材を切に御願いいたします。

 


解せぬ23・・・・・・・・・外来魚流下防止策としての在来魚利用法

ブラックバス類が有効利用されている水域において、そこから下流域への流下防止策が急務とされている。

しかし、電気スクリーンでは費用、ネットでは稚魚、卵の流下など、現在実施、

検討されている方策には問題が多い。

こで費用、人件費がかからずまた効果も期待できる方法として在来魚を利用した

流下防止策を提案したい。

新潟県水産試験場での試験結果からウグイが魚卵、稚魚に対して外来魚以上の

 食性を持っている事が確認された。

 (資料1)

そこで湖沼での流出地点に二重のネットを張り、その中にその湖沼に生息する

ウグイを放流しネットをすり抜けた稚魚、卵を捕食させる。

高密度で適量の魚が確保されさえすれば、その後は生息数を監視、追加するだけで稚魚、

魚卵の流下を防止する事が可能である。

勿論、効率、夜間などを考慮し、コイ、ナマズ、冷水域ならヤマメ、イワナなどを

併用活用する事も可能である。

万一、利用している魚類が流下しても元々いた種のため下流域への影響はほとんど無い。


解せぬ22..........さて8月18日付けの長野日報にこんな記事がありました。

http://www.nagano-np.co.jp/cgi-bin/kijihyouji.cgi?ida=200308&idb=149

成果、辞典では「ある仕事をして得られた(よい)結果」となっている、もうここですでに各県でよい結果が得られているがマイナス面は不明との筆者の思いこみ、バイアス が出てしまっている。 

効果、同じく「よい結果。ききめ。」であり他県ではどんな良い結果を収めているか調べたとの意味になってしまう。
 
この4トンの内約1トンは立ち入り禁止の漁港での釣りや禁止されている夜釣りを行なっている狂信的バス駆除集団による釣果なのは有名、また、県資料からこの内のブラックバスの重量割合は1/3〜1/5。 
 
滋賀県がなんの根拠も無しに言っている琵琶湖の外来魚総数は推定3,000トン、この内の10トン程度を駆除した事で個体数減少への効果とははなはだ疑問、また外来魚 回収事業(レジャー分)予算は1735万3千円、 回収見込み量は年間12t したがって外来魚駆除コストは1446円/kg となる(注 広報・啓発費などはこれに含まれていない)
 (参考 外来魚駆除事業(水産課分)漁師さんからの買取り価格 350〜500円/kg)
釣り人に協力しやすい体制ならば行政訴訟がおきたり県が募集したパブリックコメントに3万近くの反対意見が来るわけが無い。
 
昨年、(財)日本釣振興会は奥利根湖においてゾーンニング(棲み分け)の観点からス モールマウス排除集会を行なった、我々釣り人にとって魚を殺さねばならないと言う苦渋の選択で524匹の排除を行なった訳でこれをさも喜んで駆除している様に書かれるのは誠に遺憾である、また群馬県でリリース禁止対象となっているのはスモールマウス のみで事実誤認であり読者に誤解を招く。
 
取り組み方とは?対立構造を煽り無駄な税金を使い1/300の駆除で効果がある?
 
新潟県がこの指示の効果もマイナス面もまったくつかんでいないのが見て取れる、私の入手した資料や昨年、日本釣振興会新潟支部から県に対しての質問状でも、本来の目的 である外来魚減少や拡散防止についての説明はまったくと言って良いほど無い。

群馬県ではこの事にまったく触れず山梨県の例を書いていることから問題の本質を理解していないのがよくわかる、山梨県でスモールマウスは過去に本栖湖で確認されただけで河口湖、山中湖では未確認、したがって理解を得られているとの認識は正に認識不足。
 
「長野モデル」は滋賀県や新潟県の愚例を模範にせず、釣り人や行政、漁業関係者が協 力して具体的かつ現実的な努力を行なっていく事が理想である、そのためにはこのような思い込みによる偏向報道は最も障害となる事に記者は気付いているのだろうか、余談だがこの問題に関わって数年、他の新聞社、テレビ局などの取材は数多く受けた、しかしこの新聞社に至っては抗議電話、メールなどは何度か行なったがただの一度として取材を受けたことが無い、報道機関としての資質を疑うばかりである 


解せぬ。。。21 諏訪湖のブラックバス「2000年からのブラックバス急増についての再検証」

長野県中央部に位置する諏訪湖において、2000年度よりブラックバスの急増し、

その原因として私は2002年8月3日の外来魚問題公開討論会において1999年7月に行なわれたとされる

琵琶湖からのワカサギ稚魚放流時の混入とした。

約1年が過ぎたところで今一度様々な可能性から検証して見る事とする。

バス急増原因として考えられることは

1.水質改善、自然環境などが良くなった事による自然繁殖

2.釣り人らによる移植放流

3.白樺湖からの流出

4.琵琶湖からワカサギ稚魚移植時の混入

などがあるが一つ一つ検証を行なう

1.水質改善、自然環境などが良くなった事による自然繁殖

諏訪湖ではほぼ100%のコンクリート護岸化が行なわれていたが昨今の自然環境への盛りあがりと

過去の反省から人工なぎさ(土砂、石などを入れマコモ、アシを植え昭和40年代の景観を作り自然浄化機能をも持たせる)

を造成し、それと流域下水道整備などにより水質は改善されつつある。

 

ブラックバスの産卵形態は湖沼の透明度の約2倍までの浅場で湖底が硬い所で産卵床を形成してである、

したがって過去の諏訪湖において産卵適地は殆どなく全国内水面漁業協同組合連合会発行の

「ブラックバスとブルーギルのすべて」でも過去に移植されたが現在は生息していないとされていた。

 

諏訪湖におけるブラックバスの最初の発見は1977年(県水試)とされる事から(経緯不明)

ひっそりと少量生息していたブラックバスの産卵適地が急増したため繁殖できるようになったとも考えられる。

また水質改善については諏訪湖より劣悪な環境にも生息している事を考えると大きな要因とは考え難い。

また最近、河川改修、人工なぎさの影響で湖中の水の流れが変わり停滞している場所が増えエビ籠にヘドロが付着するとの

報告がありこれによって水質に敏感なエビ資源が減少していると推測する人もいる。

2.釣り人らによる移植放流

2000年10月、長野保健所で行なわれた外来魚問題意見交換会で諏訪湖漁協よりブラックバス急増の報告があり

私の人工なぎさ増設による繁殖改善との意見に対し漁場管理委員長は否定的、水試は「産卵は確認されていない」と説明した。

2001年9月20日、諏訪地方事務所で諏訪湖における遊漁規則の改正及び外来魚の生息状況説明会が行なわれ冒頭、

県水産試験場諏訪支場より「密放流の可能性が高い」との見解が出された。下諏訪町からの白樺湖からの流出ではとの質問にはその可能性も否定できないとしながら私の他魚種(アユ、コイ、フナなど)放流時の混入となぎさの影響については否定的。

ただ終了後の雑談で農政部職員から「琵琶湖からもワカサギ入れていますからね」の一言が、後に大きな発見につながる。

2002年2月23日にあるシンポジウムで資料が配布されその中にとある公務員による諏訪湖のレポートあり。

それによるとブラックバス急増原因は明らかに違法放流とされ2000年6月23日の夜から26日の朝までの間、

諏訪湖のある特定の場所の放流されたと思われるように書かれまた釣り人等としている。

常識的に考えればこの資料に記載された捕獲量を放流によるものとするならばその何倍もの放流が必要となり物理的、

経済的、論理的にかなりも矛盾を生じてしまう。

したがって個々の釣り人などによる少量移植についてはその可能性を否定できないがこのような大量の移植については有り得ないと断定できる。

また余談だが上記の琵琶湖からのワカサギ放流を言ったのは彼自身である。

3.白樺湖からの流出  

最近これを主原因とする意見が出てきているが元々は上記2001年9月の説明会で下諏訪町職員よりの

質問からでその時その根拠として2001年6月に諏訪湖でタグ付きのブラックバスが捕獲されているとの事だった、

白樺湖では2000年より釣り大会にてタグ&リリースによる個体数調査を行なっている、

これは白樺湖で信州大学山地水環境環境センターが進めている水質改善の為のバイオマニピュレーション(人為的生態系操作)

に協力する形で行ない、その中で諏訪湖でのタグと同様の赤タグは2000年7月16日の数十匹に限れる。

打った博士は「写真では鰭膜にタグが打たれているように見えますが,我々の調査では鰭の基部(筋肉)に打ちました。この点は少し異なるようにも思えます。」とお答えしている。

このバイオマニピュレーション報告書では1995年から2000年までの平均漁獲量推移が記載され

1999年までと2000年には大きな変動は見られない、また問題とされる1999年9月からの護岸工事に伴う

白樺湖減水期間に白樺湖、第二白樺湖で大型曳網調査も乗っている、それによると第二では106匹が

捕獲され地元の方の聞き取り調査では翌年の補修工事に伴う水抜きで確認されたのは400匹程度であった。

これらのことから1999年9月からの白樺湖減水による流出が2000年6月からの諏訪湖のブラックバス急増とするのは。

ア.個体数は水抜き前と水抜き後で大きな変化は見られない、その後の調査で20cm以上が2000匹程度と

思われることから20cm以下の個体がその数倍いたとしても諏訪湖での2000年の捕獲数、

約1万尾の原因とするのは疑問である。

 

イ.同様に第二白樺湖において急増と同時期の流出があったとしてもその個体数から疑問である。

 

ウ.2001年捕獲の諏訪湖でのタグ付き個体が白樺湖で2000年7月の個体とするならば水抜き時のもの

ではないことになり恒久的な流出があったとなってしまう、そうなると2000年の急増原因にはならない。

なお経験上、筋肉部へのタグでさえ2ヶ月は持たずに脱落し、まして鰭膜部ならより脱落しやすい、

また1週間程度で打傷部が腐敗し始めることからこのタグは打たれた直後と思われる。

 

エ.白樺湖から流出する音無川は典型的な山岳渓流で落差は非常に大きい、その後上川に合流し諏訪湖まで約25kmある、

ここを生きたまま諏訪湖まで到達する率はかなり低いのではないか、

恒久的に流下があるとするとすでに20年以上前から生息しているブラックバスが今回の急増との関わりは低いのではないか。

オ.最近諏訪湖で急増していると言われるブルーギルは白樺湖ではほとんど確認されていない、

(過去に2回)流下が原因とするならばブルーギルの流下は有り得ない。

 

カ.しいて流出が原因とするならばその親魚による繁殖としか説明できない。産卵可能な親魚が冬季か翌6月の

第二の水抜き時に流下し即、産卵活動を開始した。しかし資料2.7を見ると諏訪湖での捕獲数は白樺湖も

水抜きが始まった9月から増えている様には見えない、逆に第二での翌年6月では、7月の急増には間に合わない。

 

以上の事から原因のひとつの可能性はあるものの主原因とするのははなはだ疑問である。

5.琵琶湖からのワカサギ放流時の混入

 

この事実が発覚したのは上記、県職員の失言と、匿名による親族がこの時ブラックが入っていたと言っていたとの報告、

お客様からの漁協関係者からの証言(複数)そして1999年7月5日付けの長野日報。

また最近、漁協幹部がお酒の席で、あれは琵琶湖からワカサギに混じって来たと延べていたとの証言あり。

出現経過を見るとそれまで散発的だったものが1999年7月から9月にやや多くなり翌年8月から急増している

(県水試調査書など)水試では当日立会いサンプル採取と目視確認を行なってブラックバスがいないのを確認しているとしている、

そのサンプルにはヨシノボリ、スジエビ、ウグイの混入は確認されている、

また新聞紙上ではワカサギ採取方法として定置網漁、いわゆるエリとされている、琵琶湖におけるブラックバスの主食とされるヨシノボリ、

スジエビの混入があったのにブラックバスがいなかったというのは偶然にしては出来過ぎ。

 

また紙上では魚の習性を利用して手作業でも選別しているとしているがそれでいて底生魚のヨシノボリ、

一目瞭然で判るスジエビが混入している事から混入していないと断言できるだろうか。

サンプル総重量は400g足らず、全体の400分の1の調査でいないと判断するのも懐疑的。

目視確認していなかったとしているが、どうやったら泳いでいる数十万匹、数センチの魚の中に

ブラックバスがいないと断言できるのだろうか。

1999年7月に数センチの稚魚がかなりの量移植され一年たちそのうち成長の早い個体が

(調査によると諏訪湖のブラックバス成長率は驚異的)成熟し繁殖を開始したとも考えられる。

資料の見方として注意すべきは初期のブラックバス捕獲はエビ籠によるものが多かった事でエビ籠の漁期は毎年

6月1日から9月30日とされている、したがってそれ以外の月に捕獲数が減少するのは資源量との関連は少ないと考えられる。

以上の事から諏訪湖におけるブラックバス急増は

 

1・人工なぎさによって産卵場所が確保それまで出来なかった繁殖が出来る様になった。

(これについては断定可能)誤解を恐れずに言えばブラックバス繁殖は諏訪湖浄化努力の成果とも言える。

2・そこに人為的要因によりブラックバスが諏訪湖入った、その要因は、違法移植放流、白樺湖からの流出、

琵琶湖からのワカサギ移植時の混入、あるいはすべての複合など、様々な可能性があり断定するのは現在では不可能、

しかしワカサギ稚魚放流時に混入は無かったとする県水試の説明は非論理的。

考察

 

諏訪湖ブラックバス急増原因を調査した目的は犯人探し、責任追及が目的ではなく諏訪湖に限らず

全国各地への拡散が様々な要因、可能性があることを認識し誰かを悪者にするのではなく行政当局、

漁業者、釣具業界、釣り人、一般市民らが今までを反省しこれから、

すでにいるこの魚とどううまく付き合って行くかを考える時期に来ているとの思いからである。

いがみ合い、責任回避からはなにも生まれない事を認識し今後の関係各位の努力と協力を期待する。


解せぬ。。。20    とある湖でのお話です

ここでは1986年秋ごろから数年間、ペリジニウムと言う植物プランクトンによる淡水赤潮が発生しました。

とある本で、その原因としてペリジニウムを捕食していたオイカワがブラックバスによって減った為と説明されていました。

しかしその本にはその湖の生物相の変遷の図があり1981年から大発生したコカナダモ対策として1982年に大量のソウギョを放流し1986年頃から急速にコカナダコが減っている事が書かれています。

釣具屋的、都合の良い解釈をするとペレジニウムの大量発生はコカナダモを急激に減らした為、コカナダモに消費されていた栄養塩が湖中に残り、植物プランクトンのペリジニウムが増えたと考える方がよっぽど説得性があると思えていました。

一昨年、その湖に行った時のことです、学生らしき方々を連れた方がいらっしゃいました、なにか水草を採取しているようなので知り合いの地元の方にお聞きしました。

「あの方たちはどう行った人たちですか?」

「○大のXX先生だよ」

「もしかしてバスのせいで赤潮が発生したって言ってる先生?」

「そういやそんな事も言ってたなぁ、ソウギョ入れろって言ったのもあの先生」

「え!・・・そういうことですか!!!」

まったくブラックバスと言う魚はなんと都合の良い魚なんでしょう、世の中の全ての原因を背負わされてしまっています。

解せぬ!


解せぬ。。。19    釣具屋的無責任私見

ブラックバスの繁殖力について一般的に強いと言われているがそれについて異論を唱えたい。
県水産試験場の調査では青木湖での産卵可能な親魚(全長20cm以上)は2,000尾、2000年6月の調査で産卵床が184ヶ所となっています。もちろん全ての産卵床に親バスがいる訳ではなく、いても他魚の食害により卵を食べられてしまうが逆に5月、7月にも相当数の産卵床があるだろうからそれらを加味してこの数字で考えてみる。

バスの産卵数が一つの産卵床で2万〜4万、ふ化率も50〜95%と言われている。
とするとバス稚魚のふ化数は1,840,000〜6,992,000尾となってしまう、これだけ見るととんでもない繁殖力になるが1983年の山中湖での調査ではふ化後20日前後の生存率は3.7〜4.5%と推定されるとしている、ただふ化後20日前後とは雄バスが稚魚を保護している期間の為その後の生存率ははるかに低くなるのではないか、親がたったの2,000尾で均衡を保っているとすると1年魚の生存率は親魚と同数と考えても0.1%〜0.003%、なんと1000分の1から3万分の1となってしまう。

なぜこんなに生存率が低いのか、これはやはり親兄弟による食害によって自然淘汰され強い個体のみが生存していく為ではないだろうか、最近、秋田の野池でバス駆除を行なったところ多くの奇形バスが見つかったと言う、同属交配による遺伝的多様性が無くなったためではとしているがそんなことを言ったら全国で同じ様な例が出るはずだからこの考えは無理が生ずる、ここは2年前に1度駆除をしているらしい、とすると今まで淘汰されていたはずの弱い固体が、捕食者である親兄弟が少なかったために生き残ってしまったのではと考える。

とすると某湖での稚魚30万匹駆除は自然状態での淘汰を考えるとその効果はあまり意味をなさないのではないだろうか。


琵琶湖リリース禁止に、質問です........................

琵琶湖の生態系を守り、古来から要る魚を守るためにバスを絶滅しようと言うのは、解るとしよう。

そこで、リリース禁止に、何故そうなるの

リリース禁止にすればバスがいなくなるの

バサーは、バスを保護するために、キャッチ&リリースをして来たのに、
リリース禁止にして、今までのように釣りにいって皆バスを持って帰るのでしょうか、
僕は、リリース禁に、なったら 琵琶湖に行かない用になると思います

心無いバサーは、今まで通り釣りに行ってそのまま、リリースして帰ると思うのですが、

規則を守ってしないと、バサーの立場がますます、悪くなると思うバサーが、
今まで通り釣りに行くのでしょうか、

僕の、バス釣り仲間役20数名の大半は、行かないでした、
その状態になれば、バスは、減りませんよね、

何故、最初にリリース禁止になったのですか、
リリース禁止の根拠がよく解りません

もう一つ、一番問題になりそうなのに、
ブルーギルに関しては、あまり問題にならないのは、何故

気になる、仲間の一言・・・・・
琵琶湖行かなくなったら、半分はタックルいらんな〜でした。

福井智明


昨今の外来魚問題に対する一考察

ここ数年にわたり数々の論議を呼び且つ又色々な情報が飛び交った外来魚問題について、今一度冷静に考えてみたい。
ブラックバスに代表される外来魚に対して、これを問題視する意見はあったがそれは食害に対するものと釣り人同士のトラブルに起因する物であった。
しかしこの10年程前より湧き上がった環境に対する早急な意識変化の中で一部学識者らによって今までとは違った問題とされるにいたって来た。
そう言った世論を巻き込んでの環境熱の高まりの中で今まで行政、漁業者、釣具界がお互い依存しつつ牽制しつつのいわば三国志状態だったものが時流に乗る形で行政、漁業者が手を組み、またそう言った事を認識していない学識者と同調し釣具界を加害者とする事によって被害者、正義の味方となろうとしていった。
これに他の様々な思惑が同調して行き世論を大きく巻き込んでの一大プロパガンダに変貌して行った。その結果が今回の琵琶湖におけるリリース禁止ではないだろうか。
しかし、それによって我々この魚に関わるすべての者たちはパンドラの箱を開けてしまった事に一体何人がわかっているのだろう。
琵琶湖においてもブルーギルの県関与の疑い、諏訪湖のおいての琵琶湖産ワカサギ放流時の混入、全国への琵琶湖産アユ放流時の混入、各地の外来魚放流についての行政関与、漁協関与、学識者による思いこみ発言、机上の空論、勿論釣具業界、釣り人の責任、などなど、今まで決して表に出なかった事々が公になって来ている。

もっと多くの情報が飛び出しまさに世界的世論を巻き込んだ戦国時代が始まってしまった。
その混沌の中から新たな秩序が生み出されるまで、皆が痛みを伴った状態が続くであろう、
この戦いに勝者も敗者もいない事に早く気がつく事を願わずにはいられない。

2002年10月10日


おもしろいものを見つけてしまった。

「ブラックバス移植史」の85ページに、日本で一番最初にブラックバス害魚論を唱えた田中博士が昭和7年9月28日、東京日日新聞に「鮎を殺す黒鱒、鮒の敵台湾鰌(タイワンドジョウ)」と題して書かれている。

一部抜粋

私は外国産の魚をわが国へ移植することは好まない。たとへ直接に他の魚を食害しないまでも水面や食物がもし同一だとすると、結局弱者は強者に虐げられ滅亡するからである。わが国のある地方では有名は魚であっても他へ移植してそれだけ実績があがらず、在来の価の多い魚をいじめてゐる所もある。土浦のワカサギ、東北地方のチカ、山陰道のアマサギは同一種であるが、これを先年諏訪湖は移植したところ、従来の重要魚だった小蝦(記事では魚偏になっていますがエビです)が殆ど全滅した。ワカサギは頗る(すこぶる)小蝦を好むもので、試みにその腹を割って見ると小蝦が充満してゐるのをよく見うける。土地の人もこれはワカサギの繁殖のためだといってゐる。

先の公開討論会で同じ移入種であるバスとワカサギの違いは、「ワカサギ放流時に法的に色々議論されて放流して良いとなり結果的に成功したから」といわれていました、しかしこれを読む限りその時点で今のバスと同じ様に地元では害魚とされていた、しかし結果的に名物、重要魚になったとしか読み取れません。芦ノ湖でも、河口湖でも、山中湖でも結果的にバスが重要魚になっている、なんら違いは見とめられないと思うが、あるとすればそれには偽善とこじつけと裏があるのでは!

解せぬ! 

らんかぁ倶楽部 真嶋茂