長野県主催外来魚問題公開討論会開催のお知らせ

1.日  時 平成14年8月3日(土) 午後1時30分から
2.開催場所 諏訪市文化センター
 長野県諏訪市湖岸通り5丁目12-18
 電話 0266-58-4807
 JR上諏訪駅下車10分(1,000人以上収容可能)
3.開催目的 近年、生息域を拡大しているブラックバス等外来魚による漁業被害や生態系の撹乱が生じており、外来魚を駆除している水域がある一方で、積極的な利用推進を求める要望もある。そこで、今後の外来魚のあり方はどうあるべきかについて、パネルディスカッション形式による意見交換会を開催する。
4.パネラー 6名を予定。(未発表)この中に地元の日釣振長野県支部から私が推薦されております。
5.主  催 長野県農政部園芸特産課水産係
 電話 026-235-7230 FAX 026-235-7230

外来魚問題については、各地で行政の動きが活発になってきております。みんなで積極的に参加し、行政や漁連等の一方的な動きをチェックし、釣り人の立場からの意見をたくさん出して頂きたいと思います。友達をさそって参加お願いいたします。

財団法人 日本釣振興会
長野県支部

外来魚問題公開討論会 平成14年(2002年)8月3日(土) 諏訪市文化センター

午後1時30分 長野県農政部園芸特産課水産係長小原氏の司会で始まる
長野県農政部長 鮎沢光昭氏よりあいさつ

 本日は暑い中お集まりいただきお礼申し上げます、又本県水産業の振興にそれぞれの立場で御尽力いただいております皆様方に敬意を表すると共に御協力に対しこの機会をお借りいたしまして深く感謝申し上げます。
長野県は日本の中央に位置したくさんの河川、湖沼に恵まれこれは本県の貴重な財産であります。これらの河川、湖沼では放流事業を各漁協が積極的に実施しており漁獲の他、県内外の20万人に近い遊漁者の方々に釣りを楽しんで頂いております。
一方養殖業も盛んで名物料理は地元の観光振興にも大きく寄与しているところであります。
近年の内水面漁業を取り巻く情勢は冷水病、外來魚、カワウ問題などが取り沙汰されてきており漁業振興上ますます重要なテーマであると認識しております。
これら諸問題の中で特にブラックバス等の外来魚につきましては年を追う事に生息域を拡大し漁業被害や生態系の攪乱が生じて来ております。この問題につきましては今までにも漁業者、及び遊漁者の皆様からご意見を頂きながら、県といたしましても国の指導の元バスを駆除すると言う基本姿勢を堅持し、違法放流の防止、生きたままでの持ち出し禁止に取り組んできた所でございます。しかしこの問題につきましては駆除を実施している多くの漁協がある一方釣りを目的とした遊漁者等からは積極的な利用促進を求める要望も出されておりここ数年来は有用魚種なのか有害魚種なのかの議論がなされております。今回は漁業者、遊漁者の関係者のみならず県民の皆様からのご意見を頂きこの問題について再度原点に戻り今後のブラックバス等外来魚のあり方について皆様ともども考えるきっかけにしていただければと思い公開討論会を開催した訳でございます。
県といたしましては今日の討論会を参考に将来にわたる望ましい漁場管理のあり方について関係者共々検討して行きたいと考えております。

開催主旨、白沢勝園芸特産課長より
 長野県におきましてブラックバス等の生息が初めて確認されたのは、オオクチバスでは昭和45年に大町市の中綱湖、コクチバスについては平成3年に信濃町の野尻湖です。
現在ではオオクチバスは県内31漁協中21漁協で、コクチバスは13漁協で確認されています。
昨年、ため池のアンケート調査によると約600ある中の30%ぐらいまでに拡大していると言う報告もあります。地域の小さなため池にまで生息していると言う現状であります。
さらに昨年は天龍川でもコクチバスが見つかっておりますし現在でもなお拡大していると言う状況にあります。
ブラックバス等は魚食性が強いと言う事や河川湖沼の食物連鎖の頂点に居るような事で、しかも繁殖力が極めて強いと言うような事で現状漁業の被害ですとか、あるいは生態系ですとか、そうゆうような事が全国的に問題になっている所でございます。
本県では国の支持等ありまして平成5年にそれまで県内に生息しない魚種の移植を禁止していたのをブラックバスなどの無許可の移植を禁止と具体的な内容改正をおこない、さらに13年度には内水面漁場管理委員会から生きたままでの持ち出し禁止の指示も出されました。
移植と持ち出し両面からの規制整備をはかってきました。
さらにそれらを徹底する為に看板、ポスターの設置あるいはチラシなどで啓発に努めた所でございます。
なお、昨年度からは国の補助を活用いたしまして漁業協同組合等で本格的にブラックバスの駆除に取り組んで頂いている所が多くなっておりまして現状諏訪湖漁協を初め8の漁協と2つの市、町で駆除が今年行なわれております。
そう言うことの一方ブラックバス釣りも各地で多くなってまいりまして釣具屋さん等組織する皆さんとブラックバスを利用する側の皆さんからは棲み分けというふうなお話でブラックバスの公的な釣り場を設けるような要請も強くなってきています。
平成15年の漁業権免許一斉切り替えが行なわれることから駆除、あるいは利用、そう言う様々な論議があります。
国においても現状、外来魚問題に関する懇談会が設置されましてブラックバスの漁業権免許における取り扱いですとか効果的な駆除、密放流防止対策など色々な方面から検討が進められていると聞いております。
このブラックバス問題につきましては規制が整備された現在でさえ、なお長野県においても違法な放流、あるいは生息域の拡大がある現状を踏まえて、もう一つは地域の財産と言うようなことでもある水辺の生態系といった物を将来に渡ってどう言うふうにして行くか、そう言う事からも十分な論議がこれから必要と理解しております。
このような事から今回は広い見地から検討いただくと言う事で各方面からのパネリストをお招きしてご意見を頂くと言う風にしてあります。
なお漁業者、遊漁者だけでなく地域全体、あるいは県民全体の問題として外来魚問題を考えていただきたいと思っている所であります。
県といたしましては今回の討論会を踏まえましてさらに関係者との意見交換、あるいは意見徴収しながら平成15年の漁業権免許の切り替えに向けてブラックバス等のあり方について色々検討して参りたいと思ってますので忌憚の無いご意見をお願いすると同時に本日はそれぞれの立場の方からのご意見を頂くと言う場でございますので主旨を踏まえまして拝聴頂ければありがたいと思います。

会場より 「質問があります、長野県でバス対策にいままでいくらのお金を使ったかお答え下さい、

今、駆除駆除と言われましたからいくら使ったんですか、血税を」

課長   「国庫の補助事業でやってますから県費は駆除には使っておりません」
会場より 「税金をいくら使ったかお答え下さい」
(野次多数)

課長   「後ほどお答え致します」

祝電披露 県議、金子ゆかり様より

講演「故郷の自然環境における外来魚の諸問題」

東京大学海洋研究所助手 立川賢一先生
イチイヅタ、元々カリブ海などに居た海藻でドイツで飼育されモナコの博物館で展示されていしたがなにか突然変異してそのことが分からなかったが流失し地中海で増え始めた。低温にも耐え、繁殖力も強くカリブ海の物より毒性が強く、アメリカにも広まっている、現在では海藻漁業や藻場で生活する魚が消え漁業が出来なくなっている。ダイビングなどの沿岸レジャ−にも被害が出ている。それを除去する費用がかさみ経済的損失も大きい、日本にも入ってきていて今に問題が起こるのではと言われている。とにかくそう言ったことがおこらないようにしなくてはならない、こう言った事実があるので外来種の導入に関しては予防的措置と言うものが必要である、こう言った恐れがあるので積極的な導入はやめようとされています、これが一例です。そう言うことがあるので基本政策とか法律、あるいは条約がすでにいくつか出来ています。外来種とのがそう言った法律に抵触する恐れのある問題として大きくなっています。
外来種の規制に関する法律は、水産基本政策大綱、環境基本法、河川法、国際的には生物多様性に関する条約などがあり国や外国との枠の中でも取り上げられている問題です。
外来種の定義はかつてその生息域に自然分布していなかった生物種で人間の活動に伴い意図的、あるいは非意図的、つまり目的を持って入れた場合と間違って、付属して入った場合、その生息域に人の手により導入された生物のことです。その中で問題とされているのは野生化し自然繁殖しているかその恐れがある場合でそれが在来種との生態的、遺伝的な問題で、被害状況とすると生物多様性、一次産業に対するものがあります。
魚で外来種と言われるのは約30種ありますがこれとは別に諏訪湖の場合はワカサギをよそから持ってきている、こう言うのも国内における外来種と呼んでいます。
外来種の問題は生態的、遺伝的、病気、生態系インパクト、生物多様性、産業、社会倫理的、があります。
ブラックバスは世界自然保護連合が世界の侵害的外来魚としてワースト100種の中にも含まれています、日本だけでなく世界でも問題がおこっている魚種であります。
いくつか関係している本が出ていますが「ブラックバス移植史」どう言う風に導入されたか書いてあります、「ブラックバス」どう言う性質を持ってどう言う影響があるか述べれれ手います、日本生態学会が外来種ハンドブックを今月出版されます。
オオクチバスで特徴的なのは子供を保護する事でこの事が増えた一つの要因となります、日本的環境の中ですけれども、良く言われています。
拡大は1925年に芦ノ湖に導入された後、1960年までは5件だったのが現在では47都道府県全部に広まってしまった、なぜこのように広まってしまったのか色々議論されていますが少なくとも人の手によって拡大したのは間違いありません、人の手というのは色々ありますがはっきりとしているのは県とか水産試験所が食料として放流したと言うこともあるようです、その他釣り人が放流してのではと言うのもあるようです、いずれにしても人の手によって広まってしまった。
成長と繁殖は7歳ぐらいまで生きて2歳、25cmぐらいで繁殖を始める、多い場合は1つの親が1万ぐらいの卵を生むと言われている、食害ですがそこで多いものを食べ体長によっても違いがでて色々な物を食べている。伊豆沼の例ですが1996年から漁獲が減ってきてそのころからブラックバスが増えている、タナゴ、モツゴが減っている。
なにが問題なのか、
氈@違法放流、密放流と同じ意味で使われています、逆かも知れませんが、社会的、道義的な問題が起こっている、具体的には東京で保護されている所にある時突然に増えている、富山県での摘発、滋賀県への脅迫などがある。
 漁業被害では直接的な所で定置網などに大量に入り他の魚が捕れなくなる。
。 在来種の生存の脅威、生き物を食べる魚ですから食べられる方も本来それに応じた対策を取っているはずです、具体的にはウナギは夜行性でそれに応じて餌となる魚も対処していましたがブラックバスは昼間でも食べている訳で在来種が無警戒なんですね、長い間の歴史的な長さ、関係が無かった為食べやすかったのではないかと、結果として絶滅危惧種等々に対する食害、生物多様性に対する食害と言われもう一つは漁業権魚種に対する食害、これはデータとしてなかなか難しいものがありますがそう言ったことが言われています。
「 生態的攪乱による生態系の改変、イチイヅタの例のように場所によっては大きく起こっているのではと指摘されている。
」 ルアー釣りに伴う諸問題が一体となって起こっている。(ワームの有害物質など)
故郷の自然環境は色々な形で破壊されて来た、それだからこそ残すべき環境はなんだろうと言うことで世界的にも問題になってきた、負の影響があるとすればそう言うものはやめておこうと言うのが大方の考えかたなんですがそれが悪いのかの判断も価値観によって変わってきます。
水域の利用の仕方と言うのは環境の価値、経済価値、生態価値というのが言われています、環境の価値とは気象、気温調整とか流量調整、景観、地域特有の生活様式、文化が生まれてきたなどで生態系のサービスと言い方をしますが有る事によって良い価値が生まれ人が訪れる、その中にどのような生物がいるかによっても意味がある。
経済価値ですが今問題になっているのは現在価値による利益の追求と言うことですから今日問題となっている水産業の問題、レジャーの問題、そう言うものを現在の価値で考えるか、将来に渡って考えるかと言うのがこの問題だと思います、経済活動の中でなにが行なわれてきたか、自然環境の破壊、環境を考えて作ろうと言う時代には変わってきておりますけれどもまだまだ大きな問題です。
今日の話題は移植放流、生物種を変えてしまうような問題が起こっている、問題なのは将来的な価値を考えながらこう言うことをどうするか、外来種をどう考えるかと言うのか問題なると思います。
もう一つ新しい問題として生態価値があります、湖の将来的価値を見れば生物の生活環境が作られ維持されている、あるいは多様性が生まれたり維持されている、将来への自然の遺産、つまりそこに有る潜在的価値をどう利用して行くか、どう考えるか、この生態価値というのが現在の多様性の問題を含めての大きな問題で今2つ述べた中で最近ではこの問題が極めて重要ではないかと言うことで条約を含めて大きな世界的なうねりになってきている。
ではどうするのか、私なりのストーリーを整理したんですけれども、
基本的な所、水域は地域社会の基盤を創生する場所であることがありその場所にいる生物の持続的利用をはかる、その為には潜在価値の発見、つまりなにが問題でなにが大事なのかを見つけ出せる、研究と活用によって人為的攪乱と破壊の歴史を反省しながら水域生態系を理解する、新しい概念と言うのは生態概念、価値も入れた形でどうするか、受益者が全体の脇組みの中で維持管理を応分に負担するような考えかたを持って行き合意形成に向けての相互理解をして行く時代になって来ている。
故郷の自然環境保全と回復が基本で、残すべき故郷の自然、文化資産がなんであろうか、それには破壊、攪乱を反省しながら将来的持続的活用の為新たな価値を作って行くことが大事であろうかと思います、それは私どものような外の人間がどれだけお役に立つか、あるいは地元の人たちがどのように自分たちの故郷を残して行くか、これはその場所が自分たちが育った文化遺産を持つ場所で有ることをどう考えるかにもよると思います。

課長 先ほどご質問のありました外来魚の補助金について報告致します
平成13年度実績
総額       4,162,000円
諏訪湖漁協    2,404,000円
天龍川漁協      510,000円
千曲川漁協      234,000円
更埴漁協       125,000円
青木湖漁協      416,000円 
木崎湖漁協      473,000円

平成14年度御要望金額
総額      7,637,000円
諏訪湖漁協   5,000,000円
天龍川漁協      125,000円
下伊那漁協      175,000円
千曲川漁協      234,000円
青木湖漁協      416,000円
木崎湖漁協      777,000円
北安中部漁協     260,000円
松原湖漁協      100,000円
塩尻市       150,000円
立科町        400,000円

以上です。

休憩

パネルディスカッション 「ブラックバス等外来魚の今後のあり方について」
司会 コーディネーターは信州大学名誉教授、理学博士の沖野外輝夫先生でございます。先生の専門は湖の生態系、陸水学で諏訪湖を対象に数多くの業績を上げられています。
パネリストは
諏訪湖漁業協同組合 組合長        中澤 章さん
山中湖漁業協同組合 組合長        羽田十三さん
財団法人日本釣振興会 外来魚対策検討委員 真嶋 茂さん
NPO「信州いわなの学校」代表      古川和広さん
山梨県水産技術センター忍野支所 支所長  桐生 透さん
東京大学海洋研究所 助手         立川賢一さん
以上、六名の方にお願いしています。

沖野 
 今紹介頂きました3月に信州大学を卒業した沖野です、昭和48年から諏訪に住み諏訪湖の仕事をずっと続けて来ました。
これから各パネラーの方にそれぞれの立場と自己紹介をして頂きますが最初に私の立場を説明します。
諏訪湖の研究、湖の生態系、特に植物プランクトンを中心に研究してきました。
ですから立場と言うと生態系保全と言う立場でもってこう言う問題を考えると言うことなんですが外来生物の問題は非常に広くて難しい問題をはらんでいます。
ですから今日一日で結論が出ると言う事では無いんですが色んな立場の方からご意見を頂いてそれから会場の方からもご意見を頂いてそれをそれぞれが参考にしてこの問題を考えていければと思っています。

中澤
 諏訪湖漁協協同組合、組合長の中澤 章と言います、前任3年間を専務理事で勤めていました。当時からブラックが非常に増えたと言う事で3年間、また今年にかけて駆除の方向で一生懸命取り組んでいます。

羽田
 山梨県、山中湖漁業協同組合、組合長の羽田十三と申します、全国、4つの湖のブラックバス、いわゆる外来魚を指定魚とおるところでございます。そのような立場の中で現状を皆さんにお話したい、そのように思っています。

真嶋
 日本釣振興会、外来魚対策検討委員の真嶋 茂と申します、岡谷で釣具店を経営して入ます、この問題に関してはずっと学生時代から関わって、取り組んでまいりました、バスで飯を食わして貰ってますのでバス擁護の立場になってしまいますがそのような立場で物を言って行きたいと思いますので宜しくお願い致します。

古川
 NPO「信州いわなの学校」と言う活動をしてその代表をしています、NPOと言う言葉が広まっていませんが行政などで行き届かないような物、ボランティアというのが根底にありますがそう言った行政と市民の間に立って橋渡し的なことをやって行きたいと活動しています、本日はバスの問題に対して分かりやすい言葉、市民、つまり釣りをしない方にも理解を得られるような視点でなにか提案できたらいいなと思っています。

桐生
 山梨県水産センター忍野支所の桐生です、昭和48年ごろ山梨県でオオクチバスが初めて確認されてから現場と行政を通じて主に外来魚に関わって参りましたのでそう言う立場から話しをして行きたいと思います。

沖野 
 立川先生は先ほどお話しして頂きましたので自己紹介はパスさせて頂きますが、この6人の方々にパネラーとして参加して頂きそれぞれの立場でご意見を述べていただくと言うのを最初にして頂き、それを聞いた上でパネラーの間で討論をして残りの時間で会場の方からも意見を頂きたいと思います。 

中澤 
 私が最初にブラックバスとの出会いは20前、昭和45年ごろだったと思います、友達が投網で取った中に鯛みたいな魚がいると言ったのが第一声でした、その時の驚きは大変なものでした、日本全国ブラックが蔓延しつつある中でとうとう諏訪湖にも来てしまった、こんな思いでした、それ依頼、諏訪湖は結氷するから繁殖はしないとの事だったので安堵していた訳です、単発的には捕れていましたがあまり多くない捕獲量の推移でした、所が平成に入りまして11年に一万匹を確認しました、その前に稚魚を確認した訳です、低水温の中では繁殖しないと言われてきたブラックがよもやむけないだろうと思いつつも非常に心配したのも事実です、平成12年にはさらに拡大しこれは本格的に駆除しなければと取り組みました、その数値は10万匹と言う数値を示してしまいました、これはただ単に違法放流だけでない、諏訪湖でむけているのかなあとこんな気持ちの中から私どもは本格的な駆除に取り組んだ訳です。その前に私の理念としては故郷のこの湖、川、山を20世紀で経済成長を遂げると言う中で破壊してきたこの自然環境を子々孫々に伝えて行く事、21世紀は保全し自然のいそしんで行く世紀ではないかと感じております、そう言った中で我々の価値観をどこに持って行くのか系外的な水中だけで良いのかそう言った理念に立って、食害に大きいブラックバスについては諏訪湖漁協としては駆除し本来の生態系へ戻していかなければいけないと、こんな理念になっています、新聞に下諏訪町で中学生当時、やごの羽化状況を観察した記事を拝見しました、その中で1989年から観察を始め一番多い時には一日に300数匹の羽化を見たのが十年後、1996年97年には百匹を越える日は0、二年間で30匹を越えた日はたったの五日というような事も書かれていました、これは明らかに魚食もさる事ながらこういった昆虫類の被害もあるのではないか、最近皆さん諏訪湖にオニヤンマ、ギンヤンマが飛んでいるのを見かけますか、今は無数に飛んでいなければならないこの時期、数匹確認できるかどうかです、そんな状況です、私どもはこれから後世へこの湖を昔に戻して伝えて行くにはどうしても駆除して行かなくてはならない、そんな中から13年度は国の緊急対策補助を受けて一斉の駆除を行なうと言うことで去年は10万匹を捕りました、今年は14年度事業として去年使った金額、国からは500万の二分の一、約250万弱でしたが実質使ったのは1000万を使ってしまいました、自分たちの組合員が一生懸命漁獲をし蓄えて行ったお金を拠出して行った訳です、この状態が続いてはいけないと言うことで14年度は1000万円の予算の中でスタートしました、皆さんに呼びかけてブラック撲滅デーと言うも事をして大きな反応を受けました、平成14年度4、5、6、7月、この間に23万尾を捕獲致しました、また具体的な駆除方法については後ほど申し上げるとして私どもはこの自然を自然のままに後世に残すこういった理念に立ってこれからも駆除方向で進んで行きたいと思っております。

沖野 
 諏訪湖にブラックバスが入ったのは昭和45年頃と言うことです、そのあと諏訪湖自体が汚れていましたからブラックバスが増える環境に無かったと言う事なんですがだいぶ諏訪湖の環境が良くなって来ていると同時に皮肉にブラックバスが繁殖できる環境に調度出来てきたという時期がこの数年と言う事です。

羽田 
 先ほど冒頭の自己紹介の中で申し上げた通り私ども山中湖は山梨県三つの認可湖の一つでございます、私がブラックバスを確認したのはやはり20年ぐらい前の話しです、しかし今日資料を見ますと約45年前に山中湖には放流されているとの事ですが45年前から私が確認するまでほとんど見当たらなかったのが実情です、20年前の実態はあまり関心を持たなかったのが事実です、私どもが食害があるだろうと駆除に乗り出したのが50年代後半からで平成4年まで県の補助、村の補助を頂戴しながら駆除に専念して参りましたけれども到底追いつかない状況、繁殖が多くとてもじゃなけど駆除しても追いつけない、駆除の目的と言うのは当初大事なワカサギを食べられてしまうと言う考え方から駆除に走った訳ですけど地引きを引いて湖岸に穴を掘って埋めると言う方法をとってきたのですけれど、追いつかない状況の中でせっかく大事なお金をかけて放流するワカサギ、これを食べている魚を黙って見過ごす事は無いだろう、と言うことから平成5年の免許の切り替えの際、県にお願い致しまして、相当苦労しましたけれどもようやく魚種認定をして頂きましてすでに9年を経過しようとしています、来年免許切り替えと言うことでありまして、昨今ブラックバスに関しては山梨県は三つの湖が認可されていますがそうとう厳しい各種団体から抗議文などが届いていると承知しております、しかし私どもとしましては先ほど申し上げました様に過去の例から言って駆除は出来る状態では無いと言う事ですから来年の免許切り替えに際しましても山梨県にお願いをする中で来年度以降も継続して認可指定をして頂くと言う考えで進んでおります。

真嶋 
 私は日本釣振興会の代表という形で来ていますが私個人としては釣り人みんなの代表と言う気持ちで来ています、この一年間長野県と言うところで色んな事がありました、そのすべてをここでお伝えする為にまいりました。外来魚問題をはじめ生態系、環境保全という認識が強くなってきたのは、ここほんの10年ぐらいの事です、この短い時間に急激に環境への対応を迫られた為、人間活動と環境保全の整合性をどのように保つのか、この手立てを行政も学識者も持ち合わせず、対立構造を作ってしまった事がこう言った問題の根を深くしてしまっている最大原因ではないでしょうか。要するに対立構造を作ることで何か仕事をしている気になってしまっていると言うことではないかと思います、まず諏訪湖でのバス問題推移ですが先ほど中澤組合長さんがおっしゃった通り平成12年(2000年)ですよね、10月6日長野保健所での「外来魚問題の意見交換会」で諏訪湖漁協より7月 108匹、8月 2,599匹、9月 5,583匹が捕獲されたとの報告がありその時私は人口なぎさによって繁殖場が確保されたからでは、と意見いたしました。 その後平成13年(2001年)9月20日に諏訪地方事務所で会議があり席上県はバス急増の原因として「密放流の可能性が高い」と言われそれに対し私はアユやコイ、フナなどの放流時の混入の可能性と人口なぎさによる繁殖場の確保を述べました、その後雑談になった時農政部の方が「琵琶湖からもワカサギ入れてますからね」と言われました。それが後々気になり始めました。
 2001年12月13日から5回にわたり、信濃毎日新聞諏訪版にて「ブラックバス論争」が掲載され今までの報道と違い公平なものでした。
その中で一部抜粋致します、
 漁協は99年、近親交配を防ぐため琵琶湖産のワカサギ約150kgを諏訪湖に放流した。釣り人の間では、この中に「バスの稚魚が大量に混じっていたのではないか」とする声も根強い。・・・こうした推論に対し、漁協の中沢章専務理事は「ブラックの稚魚が混じっていたことは肯定も否定もできない。だが、仮に150kgすべてがブラックだったとしても、こんなに急に増えるだろうか」と首をかしげる。同試場も「琵琶湖のような大きな湖ではワカサギとバスの生息域が分かれており、混じる可能性は低い」とする。
その後水試のある方からメールを頂きました、それには琵琶湖産ワカサギ放流に際してはちゃんとが立ち会ったと言うことです、それによると採取したサンプルは混入魚を中心にたも網ですくい、同定、計測しました。以下の数字は混入魚を主にすくったためワカサギに比べ比率が高くなっています。ワカサギ542尾、ヨシノボリ247尾、スジエビ20尾、ウグイ12尾でした。他に採取時にハゼ類を目視しております。と言うことです、 はじめ読んだときは12日(2月12日外来魚問題意見交換会)に諏訪湖についての発言をさせないよう釘をさす為の物と感じ「さて困ったな」とも思ったのですが内容よくよく読んでみるといくつかの疑問点が出てきました。
9月20日 諏訪地方事務所での会議の時、一切琵琶湖からの放流についての言及無かったのはなぜか。
12月14日 信濃毎日新聞紙上、「琵琶湖のような大きな湖ではワカサギとバスの生息域が分かれており、混じる可能性は低い」と述べているが、琵琶湖におけるバスの食性調査によると最も食べていたのはスジエビ、二番目がヨシノボリ、となっています。当然の事ですがなぜこれらを食べているのかというと生息域が同じだからで新聞紙上の「生息域が分かれており」とするとバスとヨシノボリ、スジエビの生息域が分かれていなければならなくなり論理破綻を起こしてしまいます。
生息域が同じ魚がいたということはとりもなおさずバスの混入の可能性を示してしまっています。
このことが本当ならなぜ新聞紙上でこの説明をしなかったのか。
すべての魚を計測、同定したのならバスはいなかったと言えるが一部をしたのみで言い切れるものなのか。
以上の事から12日当日、あえて無視し意見交換会上で持論を述べさせて頂きました。
 すると「真嶋さんメール見ていただけましたか、当日私が立会いバスはいませんでした」とおっしゃいました。そこで上記の疑問を質問すると「あの新聞の取材があった3ヶ月前と今とでは色々情勢や条件が変わってきたので・・・」との御答えでした。
 そしてその時にTVの取材を受け2日後の14日に放送がありました、その内容があまりにもひどかった為、放送直後と翌日、電話にて抗議し公開質問状を送りました。
 その後2月の終わり、こんな資料を手に入れました、必要な方はあとで言ってください
、生物多様性研究会と言うブラックバスを敵視する団体の主催したシンポジウムの資料集の中に諏訪湖のバスは密放流によるものだと言うある公務員の方のレポートがありましたこの資料を要約すると
1993年からのバス確認はすべて密放流によるものである。
2000年に6月23日の夜より26日の朝までの間、諏訪湖のある特定の地域で大量に密放流された。
密放流されたブラックバスは3〜20cmである。
2001年も大量に密放流された。と書かれておりました。
先ほど話しが出たように諏訪湖でブラックバスが確認されたのはたしか1977年になっていると思います、ところが1993年としていますからもうそれでおかしいですね、それから2000年、平成12年の捕獲量9,927尾となっているがそうすると密放流された量はその何倍と推定されます、そうなると平均10cmとして20g、400kg〜2,000kgとなり、これを運ぶとなると活魚輸送用の大型トラックが必要となり秘密裏に行うには無理が生じます。この量とサイズの魚を確保する為には釣りによる捕獲は不可能、従って養殖かどこからか買うとなるがバス養殖業者はほとんど無くまた買うにしても数百万単位のお金が必要となるます。そして買ったのならどこかに証拠が残るはず。
 以上のことから一日あるいは二日で大量のバスを放流することは物理的、論理的、経済的に不可能といわざるをえません。
 3〜20cmのバスは当歳魚から2歳魚のサイズで、混入が指摘されている1999年の琵琶湖からのワカサギ生魚放流時のものとする方がはるかに説得力があります。
2001年にも放流があったとなっていますが数万の放流が物理的、論理的、経済的に不可能なので10万尾以上の放流は何をか言わんやでしょう。
 9月20日の会議では琵琶湖からのワカサギ放流の公式な発表はありませんでした。しかし当日会議の後で「琵琶湖からもワカサギ入れてますからね」と述べたのは実はこの方ご自身です。従ってワカサギ放流を知らなかったとは言えないと思います。
そして3月6日にも諏訪地方事務所で会議が開催されました。そこで私は提案をさせていただきましたが割愛します。
また6月に面白い記事が出てきました。諏訪湖にブルーギルが居たと言うことです、二〇〇〇年8月に急増しています、これがありましたので諏訪湖におけるバス急増原因としての「ワカサギ放流時バス混入理論」の唯一の弱点であった「なぜギルも入っていなかったのか」だったんですが要するに1999年の琵琶湖からのワカサギ稚魚放流時に混入によってバスの稚魚が入ったとすると、同時に他の魚も入っていなければならなくなります。ギルの捕獲報告が表に出ていなかった為その一点のみが疑問として残っていました。 体長8cm程度のギルは一年魚と推定できます、従って1999年7月のワカサギ放流時に混入していたものとするとつじつまが合います。それから最近、諏訪湖でフナなどを釣っている人から興味深い話しをお聞きしました。20cmもあるハヤが釣れた、この地方ではハヤはオイカワの事を言いますが20cmのハヤは考え難いのでハスではないかと思われます。これらも琵琶湖からでしょうか?。
 6月22日、諏訪市にある信州大学山地水環境研究センターの一般公開に行ったとき、所長の花里先生に諏訪湖のバスについてワカサギ放流時の混入と説明すると「たしか新聞に出てたよ、」と述べられたので早速図書館に行って調べてみました。そうしたら出てきました、1999年7月5日付け、長野日報です「ワカサギ漁に新時代、諏訪湖、琵琶湖から稚魚輸送、漁協画期的な生きたまま」今月に入り、琵琶湖から約150kgの稚魚を第一便として輸送、今回の生きたままのワカサギの搬入は二つの湖での漁法の違いと輸送技術の改良によって実現した、定置網漁で水揚げしている、ワカサギ輸送を請け負った滋賀県鮎苗出荷組合は全国に向けアユ稚魚の出荷で実績がある、琵琶湖のワカサギは鮎漁で一緒に取れてしまうという魚、これまで無駄にしてきたが温度管理など工夫して生きたまま運べる技術が開発できた、これにも長所、短所がある、利点は卵はふ化しないものもあって効率が悪いが稚魚はその年の冬の産卵もでき即戦力になる、一方大きな不安点はワカサギ以外の、特にブラックバスなどが混入すること、他の魚の混入について搬入業者は魚の大きさで選別しており成長の過程を考えると、この時期、ワカサギの稚魚と一緒にブラックバスなどが入り込むことはないとしている、また、水槽内での浮き沈みなど魚の習性を利用して、手作業でも選別している、としています、県水産試験場支場では資料の一部をサンプルとして持ち帰った。組合長はワカサギの状態は予想以上に良かった、ワカサギを確保して諏訪湖の採卵技術で卵を安定出荷したい、今後も検討して行きたいと話している、と書かれています。搬入業者さん手作業で選別している、成長の過程を考えると、としていますが しかし魚の大きさ、成長の過程とすると6月から7月、この時期はバス、ギルの産卵期の少し後、まさに成長の過程を考えるとワカサギの稚魚と同サイズのバス、ギルがいる可能性を示してしまいます、また定置網とは琵琶湖でのエリと思われますがエリがバス、ギルにとって良い付き場となり良い産卵場なっていることはご承知の通りです。
 魚の習性を利用し、手作業でもしているとの事ですが先の水試からのメールによるとヨシノボリとスジエビとウグイは入っていたそうです、ヨシノボリは底生魚、ワカサギとは似ても似つかない、スジエビにいたっては魚ですらない、こういった魚が入っていて選別をしているとはとても思えません。その後、水試に問い合わせした方がいてサンプルの平均重量も教えてくれたそうです、それによるとワカサギ542尾平均体重0.52g、ヨシノボリ247尾平均体重 0.34g、エビ(スジエビ)20尾平均体重0.18g、ウグイ12尾平均体重0.54g。他にハゼ類を目視したが採取できず。とするとサンプル総重量は380g弱、全放流量150kgの400分の1、0.25%です。
 一番の疑問に感じたのは諏訪湖よりも「生きたまま運べる技術が開発できた」と言っている点、諏訪湖だけにワカサギ稚魚放流したとはとても思えません、それからアユ種苗で実績があるとしている点、全国のアユ種苗を放流している河川の下流域、長野県でも千曲川、天竜川、犀川などですけれど下流域にバスが居るというのは県の資料を見れば一目瞭然です、以上がこの一年でおこった事実です、皆さんはどう考えますか?すべてを一方の責任とし善悪を一方的に報道しその他の要因、原因をうやむやにしてどんな結論が出るのでしょうか、どんな解決ができるでしょうか、善悪を言い合うのではなく問題があるならばどんな問題なのかよく検討し、現実的な解決策を考え、話し合うことが重要なのではないでしょうか。
 県当局並びに地域や漁協協同組合の皆さんのご理解の元に、ブラックバス等外来魚の生存水域を定め、非許可水域と区別することにより、有用魚として活用できるようお願い申し上げます。

古川 
 限られた時間ですので簡潔にお話ししたいんですがもし誤解を招くことがありましたらお許し願いたいと思います。冒頭お話しした通り私はNPOの活動の中で特に環境保全と青少年の健全育成に基づいてやらせてもらっています、環境保全も水の環境で来ている訳ですけれども私は東京出身ですけれども今、武石村にいますが故郷の川というものが地域の人はなかなか財産としてとらえきっていない気がします、NPOの活動として子供たちと釣りをしたり水生昆虫の観察をしたり、色んな事をしているんですが、ついこの間バスの話しをみんなでしてみました。バス釣りというのは中学生あたりが自転車でいけるところでしていますが、私も別にバスが嫌いな訳じゃなくて魚はなんでも好きですし魚釣りも好きです、バスの良し悪しというのは人間サイドのどうしてもバックボーンと言うかバックグランドの見え隠れする利害関係がついてまわるわけでこう言った事を冷静に話して行けるかと言うことに尽きるのではないかと思うわけです。いずれに関しても皆さんあまりにも離れてきてしまっているので例えば長野県を代表するような千曲川、天竜川などでも送電の関係で水の無い区間があります、漁協さんの保証金と言うのは非常に問題がありますけれども地域の人がそれで良いやと言うような形になってしまうとどうしても下流に管理を押し付けている訳です、水辺にいて何かしらそう言うところから恩恵を受けている事を身近に考えたり意見を提案できるような形があると思います、同じ様に諏訪湖も諏訪湖だけではもう抱えきれない問題がたくさんあると思います、諏訪湖の漁協さんも勿論そうですけど関係市町村、それから諏訪湖に流入する東部漁協さんや下流の天龍川漁協さん、そう言った総合的な反省を積み重なって行かなければ皆さんが納得出来る解決は出来ないと思います。私は武石村で子供たちの体験施設などを運営している関係上関東近辺の養魚場、管理釣り場を見学する機会がありますが、今トラウトの管理釣り場が下火になる一方でバスの管理釣り場が右肩あがりで伸びています、当然バスの管理釣り場は放流する訳ですけれどもそのバスを何処から手に入れるか、先ほど真嶋さんがバスの養魚場が少ないと言うことですけれどもたまたま好意的に見せていただいた事があります、私の率直な感想を言いますともし台風など来ましたら稚魚、成魚全部下流に流れてしまうのではと言う状況です、そう言った法的整備が全くなされていない状況で経済価値だけが追求されて、勿論人間が生きていく為にはしかたが無いことですけれどもやはりある程度のマナー、ルールが必要だと思います、またあるバスの管理釣り場ですけれどもキャッチ&リリースが当然のように行なわれていますがリリースしたバスがどの位生き残るのかというのがまだデータ的にもはっきりしていないんじゃないかと思うんですよね、一日200人300人の方が訪れてルアー釣りしますが翌日にはほとんど全部死にます、これは驚きの事実ですけれども、なぜそうなるか、やはりリリースの問題、水質の問題、色々あると思いますがとにかく放流して行かないと間に合わないという状態だそうです、たまたまこちらにも山中湖の組合長さんがいらっしゃいますけど河口湖にしても相当な放流をしているみたいですけどそういった事が今事実としてある訳でバス釣りという物は私はやれる所ではそう言うルールと認められればやれば良いと思うし諏訪湖に様に駆除して行きたいのならば関係市町村の了解の中でそう言う方向に行ってもそれはしかたがないことではないかと思います。生きる道、探って行く道は色々あるんじゃ無いかと思います、バスの問題はまだスタートラインに立ったばっかりですがとにかく色んな意見を冷静に出していただきながら行っていただければ一番いいのでは無いかと考えています。

沖野 
 古川さんは他の方と少し違った立場のお話しでしたが、最初におっしゃっていた子供の健全育成にとってバスの問題が引っかかるニュアンスに受け取ったんですが課題としてどう言うことが問題ですか。

古川 
 正しい情報を伝えると言うことで、例えばですねバス釣りをする方が野池にたくさんいますけれどやたらに釣り禁止の立て看板があります、そう言うのもどうかと思いますが一応ルールとしてそうなっている以上は釣りを遠慮していただくのが筋であって、釣りをしたいのであればそれは正しい道筋を通って交渉して行く事のなると思うんですけれども日々釣り人がいる、そう言った事を子供にどう説明していくかと言うことです。

桐生 
 芦ノ湖にバスが入れられて77年、富士五湖に入って30年以上経っています、今状況はその時とかなり変わって来ていると言う認識でおりますので最初に当時はバスに対してどう考えていたのか、おさらいをやっていきたいんですが1977年昭和52年ですがすでに山梨県にもバスの生息は確認されていましたが、この時に県の漁業協同組合連合会が委託を受けてアンケート調査をしています、対象としては釣具店と漁協、二つの団体に聞いていますが、この時に漁協の方は非常に食害が問題だと、法的処置が必要だと言う意見と一方では食用として利用できないかと言う話しもありました、一方,釣具屋さんでは釣大会を開催したい、この時すでにこう言う話しが出されていますし、ある釣具店ではお客さんにバスを配って放流してきてくれと言うような話も出されています。この時結論としてですねすでに繁殖していて絶滅させるのは困難である、いくら規制しても、当時山梨県には漁業調整規則で許可無く放流してはいけないと言う規則はありましたが、難しい、でもってむしろ利用を考えて行こうじゃないかと言うのが52年の結果です。それから少ししまして1989年、平成元年、この年に河口湖で日本で二番目に漁業権魚種とした年ですがこの時に全国の試験場の団体、全国湖沼河川養殖研究会というのがありましてその中の外来魚研究職員会で「わが国における外国産外来魚の現状と対策」と言う本をまとめています、この時はすでに1988年、昭和63年の段階でオオクチバスが45の都府県、533湖沼と147河川で生息が確認されている、この時の調査で先に出ましたが長野県の諏訪湖、バスは以前放流されたが定着していない、と言う報告もされています、その理由として諏訪湖では投網が盛んに行なわれている、非常に漁獲量が高いから少しばかり入ってもバスが排除される、夏場、水温が高くバスにとって生息が困難である、底質が泥でバスの産卵に向いていない、と言うような事があって諏訪湖ではバスは定着しなかったとなっています。この時もアンケート調査しまして漁協については効果的な駆除方法を開発してもらいたい、釣り人からはバス釣りをなぜしたいのかとの設問に対しルアーやフライを自分で作って楽しめる、スポーツ性がある、スタイルが良い、この様な理由が上げられています、水試についても駆除対策として21県から方法が発表されています、その前1983年、昭和58年から琵琶湖で総合的な取り組みが行なわれましてバス、ブルーギルの資源抑制について試験研究、除去対策、流通加工対策、消費拡大、遊漁者対策と言うことで昭和59年から63年にかけて対策を実施しています。この時の報告では対策の方法としては海外からの移入、国内での移植を問わず移植についてルール作りをすべきだと言う提案がされていますし現在ある漁業調整規則が13県しか規制されていない、全国のネットワークになっていない、移植に対する体制が遅れている、未移入魚の放流については科学的な判断に基づいて行なうなどの対策が示されています、1992年、平成4年に「ブラックバスとブルーギルのすべて」という本がまとめられています、この時移入すれば問題となりうる魚種の抽出がやられていてコクチバスもその中に入っています、この時も対策の方法が出まして外国からの移入に対する届出制の導入、調整規則の一元的強化、情報網の整備などがやられています。この内の漁業調整規則については昨年北海道も改正しまして沖縄県を除く46の都道府県で移植の制限、あるいは禁止がされています、啓蒙活動については各種の国の事業、県の事業で盛んに行なわれチラシ、ステッカー、ポスターなど莫大な量が配られています、この様な取り組みが進んできて30年たった訳ですが近年生物多様性、生態系保全の関心が高まって来ました、それまではその前の20年は駆除できなければ利用すれば良いんじゃないかと言う考えが底流にありましたので山梨県でも3湖沼が認可されたわけですが、以降10年についてはそう言う考えでは外来魚問題は解決できない、世界的流れに乗って方向付けして行かねばならないと変わってきています、平成16年1月1日に漁業権の切り替えがありますがその時にどう言う方針で向かえるか、具体的には三湖沼で県が漁場計画に盛り込むかどうかが焦点になろうかと思いますが、その中でも漁場計画を作る中でも生物多様性の保全、生態系の保全について十分な議論がなされないとまた安易に継続と言うことになってしまってはいけないと思っています。いままでバス擁護派とバス排除派の話し合いが少しずつ行なわれてきていますが、相変わらず議論がかみ合わないできています、なぜかと言うと双方が双方の主張を言っているだけでかみ合うはずがありませんが、長い目で見て最終的に日本の水帯をどうしていくか、と言う所からまずきっちりと話しをして行かないと、今、来年、どうするかの話しをしてみても解決に糸口はつかめないと思っています、30年かかってこれだけ全国に広まったんですから少なくとも30年かけてもいいから解決の方向に持って行くべきではないかと、最終的には私の理想的な提案ですが77年前にオオクチバスは戻す、ブルーギルについては最初に法的に放流が認められた一碧湖だけに戻しべきではないかと、それを最終目標としてどういう方策がそれまでにとられるかということを提案すべきではないかと考えています。

沖野 
 長期的な視野に立ってどうあるべきか、というのを決めた上でこれに対処して行くべきだ、と言う積極的なだったと思います。中澤さん、今のお話しを聞いた上でどう言うふうにお考えでしょうか。また先ほどの具体的な対策を含めてお話をお伺いしたい。

中澤
 先ほども若干触れましたが、今のお話しにもありました様に、私どもに質問されるのが本当に駆除をして根絶できるのかと聞かれます、これは一朝一夕には根絶できません、私どもは今の諏訪湖の生態系の中の魚族に影響を、たとえどれだけでも少なくしていく為の努力はして行かなくてはいけない、現実の問題としてエビが捕食される一位というお話しもありまして諏訪湖に中で現実に一番捕食されているのもエビ類です、これは昨年捕獲した10万尾をすべて水産試験場諏訪支場に持ち込み胃内容物を調べてもらっています、そういった中で一番減少したのがテナガエビでした、平成10年、4トンあったものが平成11年2.7トン、さらには12年2.4トンと減ってきました、そういった中で13年度、10万尾を駆除した、その成果かなと思っているのは、6月からテナガエビが解禁しますが昨年度比、大体倍の収穫に戻りつつあります、これは6月だけでは言えないことですが非常に前年比増えていることは、13年度の駆除実績かな、と思っています。
私どもが取り組んでいる駆除方法としては成魚になったのを捕るんではなく、本来であれば卵が捕れれば一番良いんでしょうけれど、そこまで出来ませんから、ふ化直後の稚魚の習性を、これは水産試験場のご指導を頂き、まとまって遊泳していることが分かりましたので稚魚、1.5cmから2cm程度のものを掬い取りという簡単な方法で成果を上げています。
平成14年度実績で22万尾ぐらい捕れたというのはそのうちの1割いかない程度が成魚、あとは全部稚魚捕獲です、そういった事で漁獲高への影響、要するに魚食が無く減らしていく事をこれからもして行きたいと思います、ですから非常に簡単な、投網や刺し網で無くて、子供のとんぼ網の大型化した物を作りましてそれで掬い取ることで成果を上げることが出来ました、しかしその影には、有効的時間帯がありますので夜中12時から5時まで掬い取りをやってくれる、努力してくれる組合員もいる、その結果が6月の集計で20万尾を越えました、7月25日現在で23万弱の捕獲駆除をしております、これからもこういった駆除方法が有効であると言うことを踏まえ全国的にも、湖沼の形態等で出来るか出来ないかは別として全国的にそう言う駆除方法で行こうと言う湖等があったら発信して行きたいと思っています。一つ間違って、早い時期に止めないと大変なことになる一例がここの長野県自然保護研究所のニュースレターの中に紹介されています、これは良いか悪いかは別として野尻湖の巨大草魚という一文で、これは諏訪湖の例に違わずその昔、草と言う物が非常に邪魔になると言うことで草魚を放流しました、それが湖の中の草を全部食べてしまって、遊覧船のスクリューにはかからなくなったけれども、湖底は砂漠化してしまっている、外来魚の移入の例ではないかと締めくくられています、北野聡さんと言う方が書いておりますが、草魚については湖沼では繁殖はしない様で、いるものが死に絶えれば終わると言うことの様ですが、利根川等では繁殖をしているそうです、と言うことで諏訪湖としては今後もこの方法で今の漁獲高を減らさない、自然、生態系への悪影響をたとえどれだけでも少なくして行くよう駆除方向で進んで行きたいと思います、ブラック撲滅デーと銘打って2回組合員動員の駆除をやりました、そのことによって組合員の関心も非常に大きくなりました、この諏訪地域全体の方々の自然を守らなくては行けないと言う感心も非常に大きくなってまいりました、ある企業では諏訪湖の生態系を保持存続する為に金銭的補助をしましょうと言う事まで申し出てくれた企業もあります、そう言った中でそう言う声に報いるべくこれからもこの方策を続けていこう、こんなふうに思っています。

沖野
 今の具体的な、草魚はおいといて、バスに対する対策、立川さん、何かコメントなり、ご指摘ありますか。

立川
 利用の仕方の中で過去において色んな魚は移植、放流されてきたんだすがその基本的な所は食料と言うのがあって本来はそこにいる魚を増殖させて利用するのが基本でその為に色んな漁業に関する規制とか禁止とか義務があって、現にある訳です。その為に一生懸命やっているし、それが地域の食文化になってきている訳です。釣りもその中に入っていると思うんですね、古来からそれに応じた釣りがあり、そう言う魚、川の生物にちなんだお祭りがあったりしますが、そう言ったものがすべて一元化されて行く、さらに、やってる方は面白いとは思うんですけれどね、そう言うスポーツフィッシングが増えてきて、その為には違う魚じゃなくちゃいけないとというのがあるんですよね、現にいるからと言うことで、やはりそこで考えなくちゃいけないのは、そこのある産業、文化、故郷のものがなにかと具体的に提案されている訳で、諏訪湖の場合はこうじゃないかと、多分ワカサギの問題もそういった事の一つだと思います、じゃあワカサギは良くてバスは駄目なのは問題じゃないか、同じではないか、と言うのはこれは違うと思うんですよ、ワカサギ放流時にも法的に色々議論されて放流して良いんじゃないかとなって結果的に成功した訳ですけれども、バスに対してはそう言う議論が無い、それは指摘されているように混入かもしれない、だれか放流したかもしれない、現に居て困っててそれをやめましょうと言う提案がある中ではやめる方向で議論をすべきだし、いま提案されてて良い所もありますがそこでも新たな問題が起こってる、それはルアーによる環境汚染物質の問題です、そちらの方はあまりそういう努力はされていないように思えるんです、それは経済活動があるからなんですが経済活動を今後どういうふうに捉えていくかなかかってきます。だから私は諏訪湖は諏訪湖に居る魚を中心に考えて行くことが良いんではないかと思うしそう言う意味ではバスはいらないというのが正しい考えかたかなと私は思います。もう一つ問題なのはそれを増やす為には環境の事があります、環境を良くして元の魚を増やそうと言うことで、逆にそれはバスには良くないようで、事実としてはまだわかっていないけれど、環境補正と言うのが人の立場で言うわけでたとえば他の湖の例ですけれど魚がいると水が汚れる、富栄養化する、だから魚なんていない方が良いという議論がありますがそれは水をどう利用すると言う立場の意見です、それは生物とかを考えていない、そう言うようにならないでほしいなあと思います。先日まで四万十川に行っていたんですけど、やはり四万十川は残された故郷を誇りに思うように、つまりそう言うことが経済活動の役に立っている、アユやウナギの市場価格が高い、そう言うことを今後、地方地方で考えて行く時代ではないかと思います。

沖野
 それぞれの湖、川によって歴史的なものがありますから、長期的にどうありたいのか1番大事な事じゃないかとそんなふうに思います。真嶋さんご提言があればどうぞ。

真嶋
 聞いてて思った事がいくつかあるんですけど、学識者としてなにをすべきか、今日本のバス問題にかかわっている学識者の方々が勘違いされていると非常に感じているんです、非常に主観を持って物事を語られている、本来は学者と言う方々は厳然たる事実を元に考察をしなければいけないのにたとえば密放流があった、あるいは人の手によって各地にやられた、ということを先ほどご紹介のあった本ですね、最近出された本でも平気で書いてある、特に丸山助手さんなんかは非常にびっくりするような内容を書かれています。それから先ほど言われた有害物質は環境ホルモンの事でよろしいでしょうか?ワームの環境ホルモン、(立川さん頷く)あれもですね環境ホルモンの疑があると言われているだけですよね、たしか信州大学で孫の代にいくらか影響があると出た物ですね、日大でも出たように聞きましたが今のところ疑いのある物質と言う段階ですよね、疑いのある物質というのは有害物質と言って良いんですか?
立川
 そう言う疑いのある物質はやめましょうと言う事で現にそうじゃないワームを作りましょうと言う方向も出ているわけでしょう。だから疑いのある、危惧されているものは辞めた方が良いんじゃないですか。
真嶋
 勿論、やめるような段階に持って行くのは当たり前の事です、学識者はそれを有害物質なんだと言ったら、一般の人たちはワームは有害物質なんだという認識を持つわけです、それイコールバス釣りが悪いものなんだと言う方向性、今現在日本中で行なわれている色んな学者さんを含めて、あるいは内水面漁連さん含めてやられている事は、バスは悪い物なんだ、バス釣りは悪い物なんだというプロパガンダが非常に大きなうねりになってきてしまっています、こう言った中でこのフタル酸ジエチルエステルって物も、ここに塩ビ業界さんの所で見てみたんですけれど(財)化学品検査協会さんの実験によりますと20日間で約百分の一になると言う結果が出ています、ある湖の中でゴミとして、根がかりしてある、勿論それは掃除しなければならないのもあたりまえですが、それを非常に人にとって影響があると過大に言う事によってバス釣りが悪い事なんだという方向性を持たせているような気がしてしょうがないんです。それは先ほど言った滋賀県アユ苗出荷組合さんが実際には冷水病の問題も含めて、アユに混じってバス、ギル、ハス、オイカワだとかを拡散していたのに釣り人が放流したんだとみなさん思っています、釣り人が、釣具屋が日本中放流しまくっているとみなさん認識しています、そうなってしまった原因て言うのは私は学識者だと思います、その人たちがちゃんとした資料を元に、現実にある物を元にして物事を言ってなくて主観で物を言っている事がこういった原因を作ってしまってそれをまた一部のマスメディアがそのまま報道する事によって一般の人たちにそう言う認識が広まる、それによって事実が出たとしてもそれに対してのキチンとした対応が出来ていないじゃないですか、それは日本の学者と言う人たちの、あるいは行政の人たちの怠慢だと思っています、これが先ほど言ったこの10年間での環境保全という物に対してどう言う答えを探らなきゃいけないのかと言う事を実際は対立構造を作ることによってどうしなきゃいけないのかと言う事を放棄している、その言う事だと思っています。

沖野
 先はどおっしゃっていた棲み分けですね、どの様にしたらと言う具体的なものがあればお願いします。

真嶋
 3月6日に提案させていただいた案ですが、いらないと言う所があればいる所に持っていけば良い、これは普通に考えればいいと思うんですが、諏訪湖でいらないのであればたとえば釣り大会をやって釣れた魚を必要とする所、こちらに山中湖さんがいらっしゃいますがそういった所に持って行けば良いのでは、ただ殺してしまうよりそういったふうに有効利用していただければ釣り人の皆さんも協力できると思いますし100%混入は確認できます。現に長野県の中でもすでにそういった動きがあります、そうすれば無駄なお金を使わずに出来るのではないでしょうか、山中湖さん、そうなったら経費は出して頂けますか。(笑)

沖野
 古川さん、子供たちと関わっておいでですから教育という立場から。

古川
 教育の現場で取り入れらながら話し合って行く姿勢が出来あがって来ています、今年度から小中学生、総合学習、五日制になりましたから、どう言うふうに現場の教育として持って行くかと、情熱のある先生たちがこう言う取り組みをしているというようにと発信して行けば違った面も出てくると思います。だから一つの答えはなかなか出ませんがみんなで考えようと言う姿勢を貫いて行かないと、釣り人の言い分、漁業者の言い分という形だけで終わってしまって、けっして良い事では無いし、地域全体の子供たちの10年後、20年後彼らがもし釣りをしていれば部外者では無いですから、そう言う事を含めながら、色んな関係省庁を巻き込んで話し合って行ってもらいたいと思っています。

沖野
 色んな意見をどんどん出してお互い理解が出来るというのがなかなか難しい所です。

古川
 たとえば、いわなを自分の秘密の川に持って行きたいとかがありますがそう言った軽い気持ち、悪く言えば釣り人の自己満足的な形で持って行き放流する形とバサーがちょっとした気持ちで放流することがあると思います。そう言った事がどう言うふうにどう違うのかと言う事をしっかり分けて考えて行かなければ駄目ではないかと思います。

沖野
 それでは先進地と言うか、先にやっている山中湖の、何十年も関わっている訳ですがその経験から羽田さんからなにかご意見なりご忠告なり、諏訪湖ならこうだと言う提案ありましたら。

羽田
 冒頭申し上げたように私どもも諏訪湖と同じ様な経験をもった湖です、先ほど桐生さんも申しましたが県のご助言を頂きながら産卵床の破壊、地引網、そういった事をしてきましたがとうてい追いつかなかったと言うのが実情です、諏訪湖に本年6月、お邪魔しまして実態をお伺いしまして、私どもが経験した苦労を今やっておられるなっと、私どもとすれば諏訪湖の漁協はワカサギの卵を頂く資源の湖でもあるわけです、ですから湖のよって違うと思いますが山中湖の実態を考えますと、昭和57年末から平成4年まで駆除いたしまして、その時ワカサギは皆無に等しいくらい減ってしまいました、しかしながらその後ワカサギのふ化装置を変える事によって、また数を増やす事によって共存共栄と言うところまで持ってきたと言うのが現状です、ただ諏訪湖の実態をお聞きしますと湖の環境自体が違う、7メートルくらいの水深と言う事ですからワカサギとブラックバスが生息可能である、そう言う事で言うと中澤組合長のお話の中で、おそらく全面駆除は難しいと思いますけれどいかに数を減らして行くかと言う努力には感謝したいし、また、続けていただきたいと考えております。ただ、一つに先ほど來、外来とか食害とか問題視されていますけれども、湖の環境によってはブラックバスと在来漁が共存共栄できる、私はそう言う自負をいたしております、ですから諏訪湖にとってはワカサギが主流、エビが主流ですから水域を考えるとともかく全面駆除は難しくとも努力して頂いて数を減らして頂くというのがベターかなと考えます。

沖野
 ずいぶん前からご経験がありますからぜひ諏訪湖の方からも色々お伺いして、諏訪湖なりの方法をお願いします。
 それでは会場からご意見を伺いたいと思います。

東京都から来ました***です
 ブラックバスの故郷の五大湖でコイが大繁殖して生態系の攪乱をしている話しがあります、と言う事はコイがいなかった水域のコイを放しても生態系の攪乱は生ずるという事実もあり、難しい事だと思いますがそういったことをまったく無視してブラックバス悪いやつ、ブルーギル悪いやつ、他の魚良い魚と、言うわけには行かないと思います、その辺は学者の先生とか研究者の方々とか一応アピールはして頂きたいと、学校のプールにヤゴを入れたらそこにいた魚や昆虫が食われていなくなった、そう言う事も含めてちゃんとピーアールして頂きたいと思います。

沖野
 外来生物は植物、動物たくさんあってバスだけが問題と言うわけではないんですね、その辺はちゃんと言わなければいけないでしょう、今日はたまたま諏訪湖でこう言う問題があるのでバスが中心になったとご理解頂きたい。

立川
 情報です、東京大学海洋研究所で11月に移入、移植の問題、全体的に扱います、ぜひ来てください。

野尻湖から来ました***です
 立川先生にお伺いしたい、イチイズタですがあれは西ドイツで突然変異で出来たを言いましたよね、でもあれはテレビのイチイズタ問題で西ドイツの水族館で放射線を浴びて人工的にやったと結論出ています、もうちょっと勉強していただけませんか。

立川
 今の話、おかしいんじゃないですか、外来種の被害の問題をいっていてそのメカニズム、どうやって出来たかをいっているわけじゃありません。外来種と言うものがどう言う風ない大きな問題をおこしているかを理解して頂きたいと言うことであって。

野尻湖のかた
 貴方がどうやって出来たか、突然変異だといったのでキチンとテレビでは放射線をあてて観賞用に作ったと放送されています。人工的にやった物です。

立川
 それがどう言うふうに出来たかをいっているわけでは無いです。

野次多数

沖野
 切らして頂きます、色んなことを細かく言わなくてはいけないんですがそこまで説明し切れないというのもありましてご理解いただきたいと思います。そう言う経過があった事を皆さんの頭にいれて置いて下さい。

坂城町から来ました*****と言います
 20歳になるんですが、釣りは小学生ぐらいからやっていてその時すでに日本にブラックバスがいて、僕たちより小さい、あるいは同じ世代の人たちにとって外来種、外来種と言われているものなんですけれどあんまりそういった意識はこれから薄れて行くと思います、良い例としてニジマスっていうのは昔からいた物では無いのに、今、ニジマスは釣りをしていない人たちにとっては昔から日本にいた魚になっていると思うんですよ、これから2、30年してく中でここにいる人たちを含めて、僕たちの世代が50、60歳になった時に駆除をしていても、人の考えは変わっていくと思うんですよ、そういう面で生き物は生き物として見ていくってのが、外国に魚、日本の魚関係無く生き物って考えて、人間が駆除する事でどう言う影響があるのか考えていきたいと思います。

沖野
 何処がどう違うのか、そういった魚の立場になって考えなくちゃいけない訳ですから、そう言う事は各自の頭の中に入れておく必要があります。

長野市の****です
先ほど諏訪湖組合長さんが駆除費が県からの補助ではたらず漁協からの持ち出しがあるとおっしゃっていましたが、われわれバサー側から考えますと必要でない水域から、第五種漁業権の認定された水域の方に釣り大会とかでぜひ協力させていただきたいと思います。ゾーニングと言う形で神奈川県の芦ノ湖や山中湖など魚種認定された所に移す、そう言った形で今後考えていただきたいと思います。

中澤
 山中湖の組合長さんも実は当組合を訪れてそう言った事は出来ないかとの話もありました、今の長野県の条例の中ではちょっと無理な事と同時に私ども成魚の捕獲と言う段階に持って行かない状態で駆除して行こうと言うのが今の考えです。成魚もある程度はありますけれども今ほとんど稚魚ですので、展示をしたいと水槽に入れているんですが非常に以外と弱い魚です、輸送等はしていないのでわかりませんが漁協の水槽で飼っている限りでは弱い魚です、それから食害の無い段階で駆除したいと言うのが諏訪湖のこれからの形、スタイルと思っています、将来的にはそういったゾーニングが可能になるものならそう行った事も考え、また輸送技術的なこともあると思います、現段階では長野県の中では無理な話です、私どもはより小さい、ブラックが1キロに成長するのに4キロから5キロ他の魚を捕食すると言われています、そういった中でエビが減った、と言うのが去年の駆除で今年回復したかな〜と、今の所であるようでこれからも稚魚段階の駆除を主体に考えて行きたい、将来的な事は、そう行った事がある時には考えさせていただきます。

沖野
 せっかくのご提案ですから検討課題にして討議の中に入れていただければと思います。

新潟から来ました**です。
 私はバス釣りするんですが、ここに来ている方は新潟がブラックバスにどのような扱いをされているかご存知だと思いますが、外来漁のリリース禁止ですけれど、それで私は問題のある釣り場には行きたくない、問題のある魚、問題のある釣り人と見られたくないので歓迎されている野尻湖に行っています。そこで諏訪湖何ですかここでバス釣りしたいとは思わないんですよね、自分の意識の中で入るとは聞いていたのですが駆除している湖で迷惑な釣り人と思われたくないので、河口湖、山中湖であれば遊漁料を払って問題無く釣りが楽しめるので足を伸ばしてそちらに行っています。私の周辺、新潟県の釣り人、すべてがそうでは無いにしろそう言う釣り人がいると言う事を理解して頂きたいと思います。

沖野
 ゾーニングと解釈します。

野尻湖から来ました***と申します。
 私の立場は地元で観光業と漁協、そして自身バス釣りをしている者ですけれど、色々諏訪湖の現状を、山中湖の現状お聞きしたところで野尻湖の方も発見された時同じ様になんとか捕獲しようとしましたがそれはどうにもならなかった、駆除できない事に気がつきましてそれでなんとか釣り人に来ていただきまして釣っていただこう、もっと活用したらどうかとなって山中湖のようなお客様がたくさん来ていただけるような湖になっています。バスを駆除しようと野尻湖もしていたた訳ですが、組合長さんに申し上げたいのは野尻湖は7年前にルアー釣りを解禁した訳ですがその時は潜ってみますと非常に多くのバスが浅い所にたくさんいました、最近皆さんに聞きますと激減している、と言う事はバスにとって1番の天敵は釣り人であると言う事は実証されています、野尻湖はうまくバランスが取れていて釣り人が来ていただいてバスがある程度、先ほど古川さんが言っていたように管理釣り場のバスが次の日死んでいる様に相当数のバスが死んでいると私自身感じています。と言う事はすごくバランスのとれていてワカサギも釣り人が来ていただいていますしバス釣りのお客さんも来ていただいている、そう言うふうに環境が今整っている、そこでゾーニングを皆さんにわかっていただきたい、諏訪湖の様に丸くて変化の無い地形、地元でバスいらない所は駆除しても構わないと思います、そして野尻湖の様に皆さんに来ていただいて環境が整っている所は、ぜひ県の皆さんにもご了解いただきたいのはゾーニング、公認の釣り場としてなんとか認めていただきたいと思います。

飯山から来ました***と申します。
 自分小さい頃から釣りが好きでブラックバスだけでなくフナ釣りも海釣りもテナガエビを捕るのも好きです、自分の家の近くに川があってエビがいたりカニがいたり魚がたくさんいたとこなんですが、今、三面コンクリートで魚がいない、カニも全然いません、近くの用水路では昔は水草があって網を入れるとザリガニがたくさんはいる所だったんですけれどそこもただの水になってしまいました。そこで考えてもらいたいのは先ほど組合長さん諏訪湖のほうも水草がたくさんあったとおっしゃってましたけれど多分漁協の皆さんわかると思うんですが水草があった時はエビもたくさんいたし魚もたくさんいたと思います。水草が無くなったとたん多分いなくなった、調度その頃にバスが入ったと思うんですが野尻湖も昔はエビや色んな魚がたくさんいたそうです、今は全然いないのではなく岸を歩いているとエビやヨシノボリもたくさんいます、野尻湖で試験的の網で区切って草漁が入らない様にして葦を植えたり水草を植えたりしているエリアがあるんですがその中ではエビもヨシノボリもたくさんいますしましてやバスもいます、共存して一緒にいます、という様に考えると皆さんわかると思いますが、まず、エビの棲みかや魚の棲みかである水草やそういうものを増やしていかなければならないと思います、先ほど組合長がバスを撲滅する事が環境改善、保全できるとおっしゃいましたがそれは間違いじゃないかとおかしいんではないかと、諏訪湖がもうちゃんと改善されているのはわかるんですけれどももっと力をいれてやっていただいてそれからバスを撲滅、最終手段とするのがいいのではないかと思います、まずは環境を考える全体を見て小さいものから見ていると自分は思います。

沖野
 環境をみて全体が良くならないと他の魚も生きられないと言う事ですから、組合長さん他の意味で言ったのではないと思いますけれど。

****と言います
 長良川に住んでいて組合員で日本魚類学会員です、長良川河口堰で建設省と戦っていますが・・・(申し訳ありませんが不明瞭で聞き取れませんでした)先ほど中澤さんがおっしゃった昔の諏訪湖を取り戻そうと言う考えはうれしく思いました。

塩尻市の**と申します
 真嶋さんにお伺いしたい
その前にじつはこの間、親しい釣具屋さんと話しをしておりましたら,日釣振、日本釣振興会と言いますけれども、そして色々聞いておりましたら名簿を見せていただきましたけれども、上州屋の社長さんが会長やって見えるが、それでは力不足だと言うことから自民党の麻生太郎政調会長、国会議員に要請をして日本釣振興会の会長にし、その名簿を見せていただくとですね、ほとーんどといって90%以上が釣具屋さんで構成される団体、私はこの印象から率直に申し上げて、商業政策をやっぱり推進する為にと言う立場で物を考えられておるということを感じた訳です。先ほど真嶋さんはですねこの道で飯を食っている飯を食ってると言うことを三回言われます、私はそう言うことを聞くとですね、生態系の問題については真嶋さんは全然触れられない、先ほどこちらのかた、コイも生態系に影響あるんだとのお話しがありましたけれどもね、私は少なくともこの!商業政策を推進すると言う前提でこの問題をブラックバス問題外来魚問題を推進している立場ってものが私どもどう見てもすべて偽善に見えてしょうがないんです、真嶋さんは生態系って物に対してどう考えているのかこの辺をお伺いしたい。

真嶋
 「組合員の皆様」 去年こう言った文書が出ています、***さんと言う****の会長さんを当選させるためにお願いをしています(文書を読み上げる、会場より野次多数)

沖野コーディネーター いまご質問の主旨は生態系についてどうお考えか

真嶋
 生態系というのはご存知の通り生き物と環境との関わりです、生き物と環境との関わりであれば生態系が破壊されると言う言葉自体が言葉として間違っています、攪乱であれば問題ないと思いますけれども、常に生態系とは動的な物だと思います、それによってその時その時で各自の必要とする生態系は変わって来る、それは人によっても違うと思います、それを画一的に自分にとって都合の言いような物を生態系と称して、それが正しい事の様に論調する事だけはお辞め頂きたい、以上です。

沖野
 生態系のことを言い始めると一晩かかってしまいますからそういうご意見だと言う事でご納得して頂きたいし、またなにかあれば直接話し合いして頂ければと思います、色んなご意見いただいているんですが時間の制約もあるので今回はこう言うご意見がありましたと皆さんの頭にいれておいて頂いて、始まったばかりと言う事はないんですけれど将来を見据えてどうあるのが1番良いのか、それは一律ではなくて諏訪湖は諏訪湖、山中湖は山中湖、琵琶湖は琵琶湖と色々周りの事情、歴史がありますから、それをみんなで話し合った上で決めて行く、と言う事が必要であろうと思いますし、決めたらと言ってそのまま行けるとも思いませんから、その辺は可変である、間違っていたと思ったらすぐ変えられる柔軟な対処は必要だと思いますし、外来魚はブラックバスだけではありませんし外来生物は色んな者があるわけで、それに人間は関与している事は確かですから、その人間が関与している事を人間自身が考えて自然を保全して行くかと言うところで意見を一致させてく事が必要だと思います。そう言う意味では議論は発端とお考え頂きたいと思います。このパネルディスカッション、これで終わりではなくて結論は出ないけれどもこれからお互いにそれぞれの立場で話し合いを続けて、話し合いはケンカではないのでお互いどこで共通点を見つけるかが大事だと思います。そう言う方向で色んな会議がもたれる事を期待しております。これでとりあえずパネルディスカッションは終わりにしたいと思います。


長い間皆さんありがとうございました。

閉会あいさつ
鮎沢部長
 本日はブラックバス等外来魚問題につきまして真摯な論議を頂きまして、本当にありがとうございました、基調講演を頂きました立川先生には故郷の自然環境における外来魚の諸問題と言う事で、河川湖沼の生物群集には歴史的特性がありこれらは地域住民の生活と共に継承されるべきであるとの視点から故郷のあるべき河川湖沼の姿について大変有意義なお話を頂きました、またパネルディスカッションにおいては沖野先生のコーディネーターでパネリストの方々からそれぞれの立場でご意見を頂き、ブラックバス等外来魚の今後のあり方についてご意見を頂きました。中澤組合長さんからは諏訪湖漁協の取り組み方針について、羽田組合長さんからは山中湖での取り組みの経過について、真嶋さんからは釣り人の代表としての立場で、古川さんからは子供の健全育成の立場から情報の共有化とルール作りをやるべきではないかとの立場で、桐生さんからは山梨県における取り組みとブラックバスの歴史的経過についてとそれぞれ有意義なお話があったわけですが、また本日会場におこしの皆様から活発なご意見を聞かせていただきまして、この事を私たちはしっかり受け止めて、県といたしましては今後の検討会議、皆様方からお出しいただいたご意見を参考にブラックバス等の外来魚問題について関係者の方々と検討して参りたいと、この様に考えております。本日はありがとうございました。